ワナビの書き起こし

ワナビが暇なときに書く日記です

ライトノベル応募に対してのマナー

はじめに

 グッドモーニング、皆さま。藤野すそのです。気づけば夏まっさかり。毎日地獄のような暑さが続いております。こうも長く続くと、うだるような暑さの中でかつて尋常小学校で陛下の玉音放送を聞いたことを思い出します。あの頃は進駐軍のガソリンタンクに角砂糖とか入れて遊んでましたね。懐かしい。

 さて、夏と言えば水着だ! 海だ! 夏だ! と言いたい所ですが、我々ワナビにとっては執筆の季節。クソ暑い中、ファミレスでドリンクバーを片手にポチポチ執筆をしなくてはいけません。執筆している時間が動画を見ている時間より短いのはナイショ♡

 夏休み明けのMFやガガガやGAに力作が多数送り込まれてくるのはもはや恒例行事。個人的には力なんて込めないで欲しいのですが、そうも言ってられません。ライバルが増えるのを喜びましょう。負けた悔しさは震えるほどだけど、ズボンで汗ふき握手しよう。でもサイクリングロードの下でリーフブレードは勘弁な!

 なので今回は「ライトノベル応募におけるマナー」についてお話します(支離滅裂)

 これはですね、数多のライバルたちに実力と関係ないところで落ちてほしくない、お前を倒すのは俺なんだからなというサイヤ人特有のツンデレ精神によって行うものです。誰だ今M字ハゲって言った奴。

 みなさん、応募の際にマナーについて考えたことはありますか? ラノベ応募と言うのはすなわち社会で例えるならば取引先に見積書と商品説明を送るようなものであり、数多のルールが存在します。ここでは学生さんや初めて投稿しようかなと思っている初心者さん向けに、社会のルールを勉強してほしいと思って筆を取らせていただきます。

 なお、現在僕は社会に出ていません。


1.ページ数は奇数にする

 これはですね、編集さんが新婚である可能性を考慮したものです。新婚なのに仕事で偶数のものを見せるのは非常に失礼です。皆さんも例えば結婚した次の日に納品された品数が偶数だったり、客が偶数のグループで来店すると割り切れるので嫌ですよね。僕は結婚してないんでその気持ちは分かりませんけど、勝手に慮っておきます。俺バカだからよく分かんねえけど、お前の気持ちはよく分かるってばよ!

 結婚式でご祝儀を偶数にせず、3万円や5万円にするのと同じです。できれば文字数も奇数にしておきたいところです。「30000も50000も2で割り切れるじゃん」と思った人はラノベなんか書いている場合ではないということを自覚してください。マジで。

 新婚に気を遣って作中で「割れる」「裂ける」などといった言葉も使わないようにしましょう。縁起が悪いです。作中で剣を持ったキャラなどが出る場合は、「切る」という言葉を連想させて失礼です。武器を棍棒に変えましょう。これなら切れることも裂けることもないので安心です。「頭蓋骨を割ってしまうのでは?」と不安になるかもしれませんが、餅を割ることを鏡開きと呼ぶように頭蓋骨を開いているだけなのでセーフです。ちなみに中国では餅が笑うと言うらしいですね。作品の中でどんどんキャラを笑わせて差し上げましょう。

 

2.経歴は盛る

 当然ですね。ここを正直に書いてはいけません。普通に大学を卒業して就職しました、では駄目です。クソ雑魚です。そんなものでは現代の出版業界は生き残れません。なんせ今や芸人が小説を書いたり、女子高生が小説を書いたり、東大生が小説を書いたりしているのです。そんな中、ただの一般人が踏み込もうものなら最後、身ぐるみ剥がされて吉原に売られてしまいます。江戸時代に吉原で売られた花魁の多くがラノベ作家志望であったことはあまり知られていませんが、業界では常識です。

 

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 なので、こうです。これなら見劣りしないでしょう。「やりすぎでは?」とお思いかもしれませんが、これでも足りないぐらいです。独自調査によるとラノベ作家志望の多くはハーバード大卒の宇宙飛行士のオリックスファンである、というデータが出ております。そんな珍しい経歴がうじゃうじゃいる中を生き残ろうと思うならこれは必須です。

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参考資料


 しかし自分の職歴や学歴に嘘を吐きたくない、データが信用できない、そもそもオリックスファンが世界に6人もいるわけがないという正直な方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。そういった正直者のプランもご用意しております。あと流石にオリックスファンも二ケタはいます。

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 その場合こうですね。これならば今すぐ8メートルのザリガニを捕まえてくるだけでいいので簡単です。手間がかかりません。
 考えてみてください。「現役中学生作家が書く本格ファンタジー!」という帯と「家で8メートルのザリガニを飼っている奴が書く本格ファンタジー!」という帯では、後者がどう見ても勝ちです。本屋でも思わず手に取ってしまいます。芥川賞よりもザリガニ賞の方が強いですね。ザリガニと違って芥川龍之介は川の中で生き残れないし、スルメで釣ることもできないのでザコです。遊戯王で言うとダイナソー竜崎とペガサスぐらい差があります。ダイナソーのくせにレッドアイズ・ブラック・ドラゴンを使っている暇があったらデッキを組み直しましょう。

 

3.斜め45度で印刷する

 現在、多くの新人賞ではインターネットによるデータ形式の応募ですが、きちんと実物の原稿を送りたいという方もいらっしゃるでしょう。そういう場合はまた別のマナーがございます。それがこれですね。

 目上の人間に真正面から立ち向かうのは失礼です。なので回転させて印刷しましょう。お辞儀をしていることが伝わるよう、斜めに回転させて印刷します。時が前に進むと誰が決めた、文章が真っ直ぐだと誰が決めた。時代は斜めです。
 慣れた人だと「博士の愛した数式」リスペクトで24度傾けたり、末広がりの将来性をアピールするため88度傾けたり、「すべてがFになる」リスペクトで65535度傾けたりします。ですが初投稿であれば45度でいいでしょう。あまり奇をてらわず堅実に真面目さをアピールしましょう。

 しかも傾けることによって何事も斜に構えがちな中高生の心もがっちり掴むことができます。思春期は誰しも人と違うことをやりたがるものです。英語が分からないのに洋楽を聞いたり、読みもしないのに詩集を買ったり。そんな中二病のガキども、もといお子様たちのことを考えてこそ一流の作家です。

 また、紙は事務用品店などに売っているコピー用紙ではなく、手作りの羊皮紙がお勧めです。印刷してしまうとどうしても人の手による温もりは感じられなくなってしまいます。そこで羊皮紙を使うことで「この作者は羊の皮をなめしてまで書きたい物があったのか」と思わせるようにしましょう。インクが羊皮紙に上手く写るかは知りません。近くのコンビニで聞いてください。


4.住所は書かない

 A secret makes a wanabiです。ラノベ作家志望たるもの、秘密と言う名の伏線の一つや二つ持っておきましょう。伏線を持っていないと世の中渡っていけません。伏線か英検一級ぐらいは持っていないと就職でも不利です。

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 つまりこうですね。ミステリアス感が滲み出ています。
 また、白紙ではなくあえて「まだ分からない」と書くことで「まだ分からないならいつかは分かるのか」という気持ちにさせてくれます。RPGとかで最初来たときは通れず、後からアイテム持ってくると通れる場所がありますね? あのワクワク感を簡単に与えることができるのです。編集さんは「この小説を読み終えたら分かるはずだ」という気持ちで読むことができるでしょう。ただのラブコメ作品であっても本格推理小説のように楽しんでもらえて一石二鳥です。

「最後まで読んだが住所が分からなかった」という文句に対しては「当たり前だろ」と返しましょう。逆になぜ作品を読んだら作者の住所が分かると思ったのでしょうか。世の中には不思議な人がいますね。

 

5.剣のキーホルダーに祈る

 twitterではよく作品を応募した後、神に祈っている方がいらっしゃいます。ですがライトノベルの神様と言われてパッと思いつくような神は……と言われると困りますね。僕も古事記を読み直しましたが、ライトノベルの神様は見つかりませんでした。残念。まあ八百万の神を信仰している時点で言ったもの勝ちな気はしますが、やはりできるだけご利益のある神に祈りたいのが人情というもの。 

 なので修学旅行先で買った剣のキーホルダーに祈りましょう。あの金ぴかで、変な鎖とドラゴンが付いているやつです。カトリックにとってのロザリオ、正教会におけるイコン、ワナビにとっての剣のキーホルダーです。

 ワナビは修学旅行先であの武器のキーホルダーを買う確率が98%という統計も出ております。これ以上相応しいご神体もありませんね。あなたたちの机の中にもあるのではないでしょうか。万が一ない場合はドラゴン柄の裁縫セットに祈ってください。どうせワナビはこれも持ってるでしょ?


6.死に際に応募する

 応募の時期はいつがいいのか、おそらく作家志望の方も一度は考えたことがあるでしょう。締切ギリギリだと悪印象ではないだろうか、でも早く出し過ぎるとあんまり力込めてないみたいとか。でも最適解はこれですね。死に際です。

 具体的には戦場で編集さんと共に敵陣に突撃し、銃弾を胸に受けて倒れて息も絶え絶えの状態で家族の名前を呼びながら渡すと同時に息絶えるのがベストです。前日に終戦した後にやりたいことや、故郷に残してきた恋人のことなどを語り合っているとなお良いです。諸々の理由で無理な場合は、敵に囲まれたところで「お前は先に行け」と殿を提案して「せめてこれだけは」と渡すのがベターですね。

 相手に人の心が残っているなら戦友に死に際に渡された原稿を一次落ちとかにできるわけがないんです。できます? 士官学校の頃から一緒で、「出世したら俺がこの国を変えるんだ」なんて笑いながら言い合った戦友が自分を庇って銃弾を受け、涙を流しながら懐から出したラノベ原稿を一次落ちにしたらもうそいつに人の心なんて残ってないですよ。サイコパスです。墓の前で「キャラの個性があまり出てなかったぜ……ダチ公」とか言ってたらもう恐怖でしょ。

 いつも一次審査で落ちてしまう、という方はこれができていないのではないでしょうか。クーラーが効いた家の中でレッドブルを飲みながら応募した原稿では駄目です。銃弾飛び交う塹壕の中で泥水をすすりながら応募しなくては。ハングリー精神を大事にしましょう。まずは手元のレッドブルを捨てて薬局で88円で売っているドデカミンに変えてください。デカビタでも可です。

 

7.受賞連絡は二回断る

 前述された通りのことをやっていれば受賞連絡が来る日も遠くはありません。しかし連絡を受けたからといって調子に乗り、全裸でブリッジをしてはいけません。まずは落ち着きましょう。

 受賞の連絡に対して三顧の礼故事成語の通り、二回は断るのがマナーです。諸葛亮劉備に対してやったのと同じですね。この故事はどっちかっていうと下の人間に礼を尽くした劉備のことを言っているような気もしますが、気にしてはいけません。解釈したもん勝ちです。儒教とはそういうもんです。

 諸葛亮劉備って誰?って言った奴は横山三国志を読み終えるまで出られない部屋に閉じ込めます。キャラの顔と名前が一致するまで出さないからな(一生無理)
 せっかくの受賞を断るなんてもったいない、と思うかもしれませんが天下の諸葛亮孔明ですからね。やっていることが間違っているわけがありません。北伐の話には触れないでくださいね。嫁選びも間違えてましたけど(笑)。

 調子に乗りました。ごめんな冊封体制

 編集者側もこの辺のマナーも分かっているので、最初断ってもすぐに二回目と三回目が来ます。その時に受け入れるようにしましょう。ここの遣り取りを失敗するとその日からあだ名が馬謖になります。編集部で陰で「あいつは馬謖だ」なんて呼ばれたくないでしょう?

 ところで関係ないんですが、ハルヒって漢字で書くと張飛説が僕の中であるんですけどどう思います? SOS団黄巾族説不可避。

 


 以上、ライトノベル応募におけるマナーです。いかがでしたか?今まであまり気にせず送っていたのではないでしょうか。それではいけません。こういった些細なことで差は付くものです。

 礼などいりません。ただライバルたちがくだらない理由で負けるのが嫌なだけです。それでもどうしてもお礼をしたいという敬虔な方は、ぜひお礼を送ってください。からくりサーカス全巻セットとか送ってくれると嬉しいです。


 なお、筆者はこの記事によって生じたいかなる被害、問題にも責任を持ちません。ご了承しろ。