ワナビの書き起こし

ワナビが暇なときに書く日記です

「間違いなく何かで見たし、色々見たことあるけど、初めて見た作品は何か覚えてない」選手権

 どうも、最近コアラのマーチをスーパーで大量買いした藤野すそのです。やっぱりチョコレート菓子はこれが一番美味いと思います。やっぱコアラのマーチっていいっすね。おかげでウマ娘サイレンススズカを見た時、「コアラのマーチの色だ」って思いました。もしくはパイの実かな? 

 今回は「間違いなく何かで見たし、色々見たことあるけど、初めて見た作品は何か覚えてない」選手権を開催します。このよく分からない選手権は今までに何度も開催されました。何度目かは曖昧なので覚えてません。そんなモヤモヤした記憶を掘り起こしつつ、そのオリジナルを探しましょう。実質エヴァみたいなもんです。


エントリーNo.1 「ロウソクは燃え尽きる寸前に最も燃え上がる」

 初っ端から来ましたね。これを言われても返ってくる言葉は「うん、知ってる」でしょう。でもどこで知ったかは分からない。ロウソクを実際に燃やして確かめたこともない。でも多分言葉の通りなんでしょう。しかし誰が言い始めたのかは分かりません。多分なんかのバトル漫画だとは思います。主人公が絶体絶命の中で力を振り絞って敵を倒すみたいなシーンで使われ続けてます。だけど本棚見た感じ、そんな漫画あったっけ?ってなる。まったく思い出せません。


エントリーNo.2 「人は脳の一割しか使ってない」

 リミッターを外すためだけに使われる言葉ですね。本当に一割なのか、どうやって確かめたのか、どの比率に対して一割なのかまったく不明。しかし言うからには間違いないのでしょう。この理論を信用して物凄い身体能力を発揮したりします。初めて見たのは北斗の拳かな、それとも巨人の星?……自信がない。リミッターを外すと一分だけ真の力を発揮できたりします。この一分で三話は稼げますね。

 

エントリーNo.3 「今宵の刀は血に飢えておる」

 誰が言い出したんでしょう、これ。戦国時代とかの史実なんでしょうか。でもその割には元ネタの古典が一切流れてこないんですよね。妖刀とかは残ってますけど、使ってる奴は誰かよく分からないんですよね。色んな作品に出てきますけど、名前はちょっと。お前は誰なんだ。誰だ最初に刃物を舐め始めたのは。誰だ最初に刃物に心を乗っ取られたのは。自分こそが元祖だという方はぜひお便りお願いします。成敗してくれる。


エントリーNo.4 「真水は電気を通さない」

 某電気ネズミに対するアンチテーゼとして使われるこの言葉。単純な物理現象ではありますが、でも知ったのは理科の教科書ではないでしょう。間違いなく何かのファンタジー漫画。雷の魔法に対して水の魔法で反撃する。しかしなぜか電撃が届かない。その際にデータキャラがドヤ顔で解説。でもこの眼鏡データキャラが誰なのかは分かりません。夢の中で会ったような……。まどか!!ピロリロリロリロリ!!パチスロ特有のクソデカ音)

 

エントリーNo.5 「攻撃を吸収する敵に吸収しきれない量の攻撃をぶつける」

 ドラゴンボールかなぁ……とは思いますが、しかしそれより前に見た気もするですよね。攻撃を吸収する奴が吸収できずに死ぬ。「まるで空気を入れ過ぎた袋のように破裂したんだ」と解説をこなす。でもほとんど思い出せない。攻撃を吸収する敵って山ほど見たのに、具体的な固有名詞は出ない。いや、絶対に見たことはあるんですよ。ほんとほんと。そいつの具体的な名前が出ないだけで。多分RPGゲームとかに山ほどいる。だって攻撃を吸収する敵が出てきても「新しい!」とか思わないでしょ?

 

エントリーNo.6 「ヒマワリは常に太陽の方を向いている」
 ちょっと元気系の女の子が言うことですね。多分植物図鑑を見て知ったことではないです。何か辛いことがあって、泣きそうな顔をしながらもヒロインはこの台詞と共に気丈に振る舞うんです。けれど陰では泣いてるところを知ってしまい……というストーリーです。あ~なんかで見たことある。でも誰だよ。一人目のお前はどこにいるんだよ! もう君のことを思い出せないんだ……。
 クローンコピーのヒロインに会った主人公ってこんな気持ちなんですかね。


エントリーNo.7 「病気の人間の体内に小さくなって入って治す」

 絶対見た!今までに三回は見た!血管から入って色んな臓器を探検したり、白血球に襲われたりするやつ!
 僕が初めて見たのはコロコロコミックかなぁ。多分ドラえもんか?いや、でもお医者さんキットみたいなのあるしなアイツ。もしくは漫画「からだのしくみ」みたいなやつ?こいつの正体は誰なんだブラック・ジャック先生! ぱっと思い浮かぶのはうしおととらのイズナかな? でも最初じゃないよ多分。
 ぼーん・ふりーくすとかもあるけど、あれやった時にはもうこの概念知ってたし。一体幼き日の僕はどこでこの概念を知ったんだろう。体内に入って記憶探りに行かなきゃ。

 


 というわけで以上でエントリーを終了します。上記の文面を書いている途中、僕の頭の中は蜃気楼でいっぱいでした。マジで記憶と結びつかねえ。コナンの犯人の黒い人みたいなのがうじゃうじゃ出てきましたが、名前と顔がこれっぽっちも思い出せません。記憶喪失か?
 皆さまもお考え下さい。こういった概念が出てくるたびに「こんなの擦られまくってるじゃん。オリジナリティねえよ」と言うでしょうが、じゃあ何をパクったのかと言われるとまったく分からない。間違いなく王道なのに誰の足跡を辿っているか分からない不思議な状態です。

 愛とか恋とか最初に言い出したのは誰だったかしら。

うわなりうちとかいう日本古来の風景

 こんにちは。最近ブランデーのコルクが割れたのでコーラのペットボトルに移した藤野すそのです。コーラのペットボトルに酒を入れると「終わっている」って感じがしますね。高級ブランデーもこうなるとカップ酒と大して変わりがありません。

 

 さて皆さん、うわなりうちというのはご存じでしょうか。知らんでしょ?知らないことを前提に話を進めます。知っている人は見なくていいです。窓から星でも見てください。
 うわなりうちは、漢字で書くと後妻打ちとか嫐打ちとか書きます。うわぁ、なんかエッチ(適当)。これは十二世紀から江戸中期ぐらいまでに行われていた日本古来の文化です。


 まずこの行事が行われるタイミングについて説明します。夫が妻と離婚し(まあ当時は離婚というより離縁?)、そのすぐ後に後妻を娶った時に行われます。まあ要するに夫側が露骨に嫁の乗り換えをやった時ですね。まず前妻が後妻に「うわなりうちするから覚悟しとけ」と通達します。後妻側も「上等だかかってこいボケ」と返します。そして具体的な日取りを決めます。この時、藩の家老にも「この日にうわなりうちをする」と連絡をしておきます。

 次に武器のレギュレーションを決めます。基本は箒や竹刀、すりこ木や綿棒などの調理道具、もしくは近くにあった棒などです。決まりがあるわけではないですが、殺傷力がある物は使用禁止です。

 後妻は実家のご近所さんや一族の女に”集合”をかけ、武器を片手に”カチコミ”の用意をします。同じ長屋や町内の奥様方、七十過ぎのババアだろうが参加します。対して前妻も同じようにご近所さんに集合をかけ、武器を片手に決戦の日を待ちます。この時の規模は人によりますが、百対百とかもあったようです。

 決戦当日、役に立たない夫をどこか遠くに避難させ、後妻は玄関の門を開け放ちます。後はもう分かりますね?

 いざ大乱闘の開始です。気分は三十年前のヤンキー漫画。何十人もの女たちが武器を片手に殴り合いを始めます。先妻側は家や家財道具を片っ端から破壊し、後妻側はそれを殴って止めます。砕け散る家具、ズタズタになる畳、障子などもはや通風性抜群と化します。

 そして互いにボコボコに殴り合い、いい感じになったところで仲介人が「そろそろお開きでーす」と合図を出し、「お前中々やるじゃねえか」「お前もな」と検討を称え合い終わりです。そして後日、この際に発生した損害は全て夫が負担させられます。めでたしめでたし。

 

 蛮族の儀式かな? と思いますが、きちんと意味があります。というのも当時、離縁による慰謝料だの財産分与などといった概念はありません(一応嫁入りの際の財産は返しますが)。先妻にしてみれば離縁され損ということです。そんな女たちによる鬱憤晴らしと男側に対する遠回しな慰謝料請求を行っているわけですね。修理費によって苦しめこの野郎ということです。ちなみに女性は人生の内に二、三回はうわなりうちに参加するそうです。

 大和撫子が清楚で大人しいと誰が決めた。こちとら茶の湯の歴史より長いんだぞと言わんばかりの暴力。男にフラれたら黙って泣くのは大和撫子ではありません。竹刀を持って町内総出で襲撃し、町内総出で反撃が正しい大和撫子の姿です。扶桑の女舐めとんちゃうぞコラ!

 残念ながら江戸後期には行われなくなってしまった風習ですが、かなり面白いものだと僕は思います。法整備が進み、権利の保障が行われた現代。離婚一つとってもやれ慰謝料、養育費、親権、浮気だなんだと面倒くさい時代。これでは弁護士さんの仕事が減っていきません。こうやって暴力で解決するのが一番ではないでしょうか。感情は拳に込めるんだ!

 nice boatに乗って悲しみの向こうへとたどり着けるぐらいなら、とっとと金属バットで憂さ晴らしした方がマシですね。元気溌剌、快刀乱麻のスクールデイズ! ノコギリと包丁で家を壊すんだよ!

 

 

 というわけで現代風に書いてみました。


 
 俺の名前は主人公。どこにでもいる普通の高校生だ。隣に住む幼馴染と適当なエロゲ的イベントをこなしていると、ある日突然転校生がやってくる。転校生は何やら俺と昔会ったことがあるみたいで……? 転校生と幼馴染の間で繰り広げられる争いに、毎日がドタバタの連続!?
「あなたなんかに主人公は渡しはしないわ!」
「私の方が先に好きだったもん!」
 俺を奪い合う二人。どっちを選ぶかなんて、俺にはできない。だけど幼馴染はどうせ負けヒロインなので転校生ルートを選んだ。
「どうして……私じゃだめなの?」
 俺は謝ることしかできない。だけど俺は決めたんだ。ずっと一緒だった幼馴染ではなく転校生を選ぶと。恋に理屈はない。一瞬のうちに好きになってしまったんだ。
「じゃあうわなりうちで決着を着けましょ!」
「望むところよ」
「え?」
 そして始まるうわなりうち。ご近所さんを連れて参戦する幼馴染、対して転校生が揃えた量も負けていない。可愛い女の子たちによる俺の奪い合いが始まった。
「死ねや泥棒猫! 調子こいてんじゃねーぞオラァ! メインヒロイン面叩き割ってやるよ!」
「くたばれ古狸! 何が幼馴染だこの野郎! 今日から病院の隣に住ませてやらあ!」
 砕け散る窓ガラス、穴が開く壁、バットで何度も殴られるパソコン。幼馴染のお母さんが麺棒をテレビにフルスイングし、転校生のお母さんがそこにタックルを仕掛ける。隣の部屋では町内会長のウメさんが念入りに皿を割っている。
 永遠にも続くような争いの中、日が暮れかけてから町内会がストップをかけた。その号令に集まった人たちは笑いながら解散の準備を始める。
「へへっ、やるじゃねえか……これなら主人公を渡すのに悔いはないよ…」
「お前もな……これからもズッ友だょ……」
 夕日が沈む中、ボロボロの二人は肩を組んでサイゼリアの方向へ消えていった。
「あ、主人公くん。これ工務店の見積もりね」
 俺はボロボロになった部屋の中で見積もりを片手に泣いた。

 

 そんな「俺のことが好きな大和撫子の幼馴染と転校生がうわなりうちを始めた件について」一巻が、めちゃんこF●ck文庫(略してMF文庫)から2021年4月31日発売!
 


 三年ぶりぐらいにラブコメ書いた……

 

イギリスで今も行われている戦争について

 

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  皆さまは現代イギリスで行われている血を血で洗う戦争についてご存じでしょうか。新聞等には載っていませんが、古くからイギリスにおいては二つの人種が常に争いあっており、平和とは程遠い争いをしています。
 今回、僕はこの恐るべき戦争について語りたいと思います。これは国家機密レベルの秘密なので、おそらく僕はMI6によって消されるでしょう。それでもここに真実を書き残しておきます。

 

 イギリスの抱える大きな闇。それは―

 

 「MIF・MIA戦争」です!!!!

 ついに触れてしまいました。誰もがその恐ろしさに触れなかった争いです。これに比べれば移民問題や宗教問題は道端の小石のようなものです。

 

 これは「Milk in First」と「Milk in After」の争いです。つまりミルクティーにミルクを先に入れるのか後に入れるのかの争いですね。この二つの宗派についてイギリス人は二百年ぐらいレスバトルを行っています。

 くっっっっっっっそどうでもいい~~と思うかもしれませんが、イギリスの誇る紅茶文化。非常に重要なことです。

 かつて栄華を誇った大英帝国アヘンを売り払って手に入れた茶葉と、新大陸で奴隷を働かせて手に入れた砂糖が生み出す文化ですから。

 英国はマジで紅茶狂いで、世界大戦では戦車に紅茶用のポットを積み、配給では茶葉とカップが配られました。戦後は戦闘機パイロットが紅茶を片手にアクロバティック飛行をして喝采を浴びたりしてます。何やってだこいつら。

 というわけでここで紅茶文化について色々書きます。一人の人間としてイギリスの闇を暴くんだい! かかってこいや女王!

 

 紅茶の歴史

 すごい簡単に説明します。17世紀ぐらいに紅茶が到来しますが、当時はクッソ高価で一部の上流階級しか飲んでませんでした。しかも飲み方が分からなかったので、茶葉をそのまま食べていたりしたそうです。お腹壊しそう。

 代わりに流行っていたのはココアです。ココアってそんな昔からあるの、とか思いますが、紅茶よりよほど古いです。当初は薬扱いでしたが、1657年にロンドンに「チョコレートハウス」が登場。飲みやすくするために卵だの砂糖だのワインだのを放り込んでいましたが、ミルクが一番美味いということで、ミルクココアが大流行りします。

 ですが18世紀になると「紅茶もミルク入れればいけるやん!」ということでミルクティーが流行り、19世紀になると庶民でも手に入るぐらいに安くなります。酒より健康的! ということで大流行りします。ちなみに当時の飲み方で人気だったのが紅茶のブランデー、もしくはウィスキー割り。健康的とは一体……? 

 最盛期には紅茶によって様々な文化が生まれ、紅茶占いはその最たるものです。これは紅茶を飲んだ後、カップに残った茶葉の形で運勢を見るというものです。骨のひび割れ方で占いしてた邪馬台国かな?ちなみに現代も続いており、専用のカップがお店で売られたりしてるそうです。

 そして色々あって現代に至ります。端折り過ぎた感あるけど、面倒なのでこれでおわりです。

 

 紅茶のルール

 

 紅茶についてはまず、イギリスに長く伝わるゴールデンルールというのがあります。大事なことなのでこの際覚えておきましょう。紅茶の淹れ方を知らないと、誤ってボストン沖に茶葉を入れてしまうこともありますからね(英国公式発言)

 

 ゴールデンルールはたったの五つです。

1、新鮮な茶葉を使え。高価なものでももったいぶらずに使い切れ。
2、ちゃんと分量を計れ。
3、良い水を使え。勢いよく注いで空気を混ぜろ。
4、水は沸騰させろ。温めたポットはやかんの傍に置いとけ。
5、ちゃんと蒸らせ。温度を下げるな。


 以上の五つです。具体的に書くと色々あるので自分で調べてください。

 

 ちなみにもう一つ、ヴィクトリア時代のルールがありまして、「茶を飲んでいる時に人の陰口、政治、宗教、子供の話題はNG」というものです。まるでtwitterみたいだぁ(直喩)

 

 ミルクティーについて

 

 まず大前提として、イギリスで紅茶というとミルクティーです。ストレートティーより多く飲まれています。

 次にミルクティーを大きく二つに分けます。これは簡単で、イギリス式(イングリッシュ・ミルクティー)とインド式(インディアン・ミルクティー)です。

 

 イギリス式は普通のミルクティーだと思っていいです。ストレートティーにミルクをぶち込むとできます。対するインド式は鍋に茶葉と牛乳を入れて煮出し、それから砂糖を大量に放り込みます。ミルクセーキみたいっすね。

 ペットボトルのロイヤルミルクティーはインド式に近いですね。甘いし。ちなみにロイヤルだけど王室は関係ありません。

 

 派閥争い

 
 ではこれらを覚えた上でミルクの入れるタイミングを考えましょう。各派閥の主張は以下の通りです。

 

MIF(先にミルクを入れる派)の主張
・スプーンを使わなくても混ざる(カップがスプーンで傷つかない)
・香りが立ちやすい
カップに茶渋が付かない
・熱い紅茶を一気に注ぐと(当時の質の悪い)カップが割れる


MIA(後からミルクを入れる派)の主張
・ミルクの量を調整しやすい
・お茶会などで個々人が自由に注げる
ストレートティーの色と香りを楽しんだ後にミルクティーにできる
カップぐらい傷ついたり割れたりしたら買えや貧乏人


 というのが各派閥の主張です。一番の問題はスプーンとカップの二つです。紅茶文化初期は銀製のスプーンも陶磁器のカップも高級で貴重品だったからです。故にMIFは当時の労働者階級、MIAは上流階級に多かったそうです。茶の入れ方一つで階級が分かれてんのかブリテンは……。イギリスを舞台にした映画を見ると、この二つの差で暗にキャラの生い立ちを見せていたりします。それ分かるのイギリス人だけだろ!いい加減にしろ!気づくか!

 この争いは長い間続き、数多の英国人が血みどろの中に沈んでいきました。裏切り、加熱する戦争、愛する人との別れ、飛び交う銃弾。その争いは長く苦しい物だったそうです。(自社調べ)


 しかし2003年、英国王立化学協会が研究によって決着を着けたのです! 王立の公共機関が何をやってるんですかね……。ちなみにこの研究を行った理由は、「最近若者の間でコーヒーが流行ってて腹立ったから」だそうです。

 

馬鹿か?

 

 この研究結果によると「ミルクを後から入れると蛋白質が固まるし、味も悪くなる。だから先に入れとけ」ということで、MIF派の勝利となりました。しかしこれに反発するMIAが反証実験を多数行い反発。数多の論文によって学会が荒れました。考古学は適当のくせに紅茶についてはアホほど研究する先進国の鑑。


 こんな美しくも馬鹿らしいイギリスの紅茶文化、ぜひ一度どこかで二つの紅茶を飲み比べてください。どっちがどう美味しいかを確認し、イギリスの掲示板でレスバに参加してきてください。

  

 
 じゃあ僕は今から焼酎のお湯割りを飲みます。

 

参考資料 図説 英国ティーカップの歴史 紅茶で読み解くイギリス史 

     著 Cha Tea 紅茶教室  河出書房新社

     0から始める本格紅茶(同人誌) 著 ハヤシングエルス

 

 

中世ヨーロッパとかいう変な時代について脳に流し込む。


 皆さまこんにちは。ディレク・ジーターです。野球が上手くなるには練習内容が大切です。今日は僕のお勧めするレインボーアートデラックスを紹介したいと思います(手につかなーい!) 

 はい。というわけで従兄弟の顔よりは見たCMと共にこんにちは。藤野すそのです。ジップヒットもレインボーアートデラックスも買った人見たことないんですが、お持ちの方はご連絡ください。馬鹿にするので。


 さて皆さま、小説は書いていらっしゃいますか?書いてないという方は今すぐ書くとして、やはりファンタジーを書いている方が多いのでしょうか。なんやかんや言って小説と言えば小説家になろう小説家になろうと言えばファンタジーです。
 しかし本格的なファンタジーは難しく、多くの方は中世ヨーロッパ風ファンタジーに手を出しているのではないでしょうか。
 なろうのファンタジーと言えば包囲殲滅陣、肉の両面焼き、畑への食虫植物などが有名な魔境。なんJでスレが立てられるのもやむなし感があります。

 
 かと言って真面目に中世ヨーロッパを書こうとすると死にます。なんと言っても欧州事情は複雑すぎます。wikiを適当に見るだけで死にそうになる情報量。現在の世界地図とは違い過ぎる国境線に頭がくらくらしてきます。
 広すぎる時代(西ローマ滅亡の五世紀から東ローマ滅亡の十五世紀)。ほとんど残っていない資料(識字率が高いうえ紙が安価で筆まめな人間が多い日本がおかしいだけ)。違い過ぎる言語(ラテン語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語。おかげで人名がコロコロ変わる)などに苦しめられると思います。

 中世って具体的にいつだよ! とか。
 どこを基準にするんだよ! とか。
 神聖ローマ帝国ってなんだよ! とか。
 古代ローマが偉大すぎるだろ! とか。
 物語の絶対王政ってどうやって成り立ってんだよ! とか思うことでしょう。その面倒くささに挫折した方も多いはず。僕は挫折しました。

 ここでヨーロッパの地図を思い浮かべてみましょう。なんとなく思い浮かびましたか。では下の地図を見てみてください。15世紀(中世最後)の地図です。ヴォエ!

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分かりやすくEU4というゲームから持ってきました

 ドイツが滅茶苦茶……滅茶苦茶じゃない? それとリトアニアでけえなオイ。

 しかも更にここから領主の区分けがあるわけで。こんなん調べてたら年が明けるわ。

 ですが、色々と面白い……面白い?時代でもあります。しかし紐解くのが面倒すぎると言うのも事実。

 そこで欧州の複雑怪奇さを私の手によって皆様の脳髄に捻じ込みたい、もとい分かち合いたいと思い色々と書かせていただきます。ですが、一口に中世ヨーロッパと言っても時代も場所も千差万別。ここから下に書いている説明は、全て脚注で「諸説ある」とか「時代と国による」と付いていると思ってください。間違いがあったら心の中で修正して、どうぞ。僕も自信がないです。

 

 

爵位について
 
 さて、最初に爵位についてですが問題です。ヨーロッパでは爵位はどう分かれているでしょう? ファンタジー作品を多く読んでいる人にとっては余裕ですかね?

 そう!公、侯、伯、子、男です! これは基礎知識なので覚えて--と言うとでも思ったかマヌケが!

 この考えはクソ甘いですね。コメダシロノワールよりも甘いです。遊戯王で言うと相手のライフポイントを100にして勝ち誇っている敵ぐらいの甘さです。


 答えは「国によって違う」です。はい残念でしたww。

 そりゃそうだろ、って思って画面にパンチをかました人! その通りですよ。ええ、クソ問題です。


 確かに爵位は主に公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵とあるわけですが、国によっては辺境伯や方伯、城伯とかがあったり、男爵の下に準男爵とかがあったりしますね。この準男爵というのもまた面倒で、国によって貴族だったり平民だったりします。中世からある国もあれば近代から導入した国もあります。あーめんどくせマジで。
 イギリスだと爵位だけど平民扱いの勲爵士とか、スペインとかだと王位継承権の有無で公爵を更に分けたりとか。マジで国によってまったく違います。選帝侯だと帝国官位として大膳職長とか侍従武官長といった爵位以外の何かを貰ってたりしますしね。

 面倒だと思うあなたにオススメなのがナポリ王国です。貴族階級はたったの二つ! 公爵、男爵! 終わり! シンプル過ぎて逆に意味が分からん。なんで爵位が二つで政治が成り立つんだ。ちなみにロシアでも公爵と伯爵しかないらしいっすよ。

 そもそも欧州と言ってもアラゴンカスティーリャからモスクワ公国まであるわけでして、そりゃ各地の王が好き勝手に作るわけですね。国を治めてるのだって、王、大王、大公、選帝侯と様々あるわけで。誰がどれぐらい偉いのかとか勘弁してほしいです。

 ついでに言うと神聖ローマ帝国的には王という称号はボヘミア王ベーメン王)とローマ人における王(ドイツ王)の二つだけだったりします。後は全部公とか伯とかです。ま、なぜかベーメン王よりもトリーア大司教の方が帝国議会での序列的には上だったりするんですけどね、初見さん。


 騎士一つとっても貴族と取るかどうかの違いがありまして、例えばフランスでは騎士は貴族ですが、イギリスでは騎士は貴族階級じゃないです。馬も乗らせてもらえないです(というか馬の管理費を賄えるほど金がない)。
 それならじゃあドイツ騎士団国はどうなんだよとか考え始めたら頭がおかしくなりそう。まあ日本でもどこまでを武士として捉えるかは藩によって違ったらしいですけど。

 話を戻して爵位の話をします。

 よく勘違いされることですが、欧州において爵位とは家ではなく土地に与えられるものです。つまり公爵だから公爵領を治めているのではなく、公爵領を治めているので公爵なんです。日本だと土地と爵位が別なので勘違いしちゃうんですよね。つまり爵位は土地、領主権に付随するので複数持つこともあり得るわけです。これは王権であっても同じです。

 神聖ローマ皇帝ドイツ王ベーメン王にしてモラヴィア辺境伯でありルクセンブルク伯でもあるカール四世に任命された、ポーランド王兼ザクセン選帝侯にしてローマ帝国侍従武官長であるザクセン=ヴィッテンベルグ公爵とか意味不明ですよね。お前らは一体どこの人間なんだよって思います。自由都市とか見てたら気が狂いそう。ビスマルク君早く統一してくれよなー。町内会の集まりみたいな帝国ほんとひどい。

 スペイン王イングランド王兼ポルトガル王のフェリペ二世とかよぉ……イングランドスコットランド、フランス、アイルランドの王なのにフランスを攻撃させたウィリアム三世とかよぉ……どうなってんだよマジで(こいつらは近代だけど)。そういうことするから英語も喋れねえイギリス王妃とか出るんだよ。

 あ、それと爵位は領地に与えられると言いましたが、逆に言えば領地を持っていない貴族は爵位を持っていません。それは木っ端貴族というわけではなく、大臣などのように持つ必要がない貴族も持っていません。だから爵位を持っていないから偉くないわけではないです。

 更に言うと土地を持ってるけど爵位を持ってない人とかも普通にいます。じゃあ今までの話なんだったんだよ。

 

 

・国について
 中世ヨーロッパですが、国とかないです。
 ごめんなさい訂正します。有り過ぎてわけわからないだけです。というか封建制の時代なので、各領主貴族の集合体が国と呼ばれるだけで、厳密な国とかないんですよね。日本だって幕府という旗印こそありましたが、尾張国駿河国は別だったわけで。日本国なんていう概念はありませんでしたよね。織田と徳川と今川は別の国です。一つの意志に統一されたのはずっと後です。それまでは武士が公家から官位と土地貰って御恩と奉公で繋がってただけです。いわゆる封建制です。沼地に住む変な奴から剣を渡されただけの王が全て決めるわけではありません。ローマ皇帝だって投票で決まってましたし。

 1648年のウェストファリア条約ヴェストファーレン)によって主権国家という概念がようやく生まれるわけで、それまではドイツ等の多くの国が(実態はともかく一応)神聖ローマ帝国の一部であり、主権は持ってなかったわけです。まあ西側のフランスやイギリスは好き勝手やってましたけど。

 つまり国とは貴族、領主の寄合であり、集団に属しておいた方が楽だから集まってるだけなんですね。連合王国みたいなもんです。だから裏切ろうが独立しようが亡命しようが、領主の勝手なわけです。やったら最後、周辺が殺しに来るからやらないだけです。中世とは常に小早川が裏切った関ケ原状態なわけです。


 ごたごたで二つの国に跨ったりすると、戦争の時にどっちに付くかで死にます。フランス領なのに百年戦争イングランドに味方したフランドル伯とか。これにはジャンヌ・ダルク姉貴もブチギレ。ま、精神病だったとか言われるし多少はね?(まったく関係ないんですけど、ジャンヌ姉貴はオルレアンに生まれたからオルレアンの乙女だったけど、青森に生まれてたら青森の乙女とかだったと思うとちょっと面白い)

 

 ちなみに領主、って言うと物凄い強そうに聞こえますが、やってることはただの村長もしくは役所です。無茶したら即座に反乱されますし。普通の貴族は領民人口も数百人とかそういう時代ですし。三十年戦争とかで色々欧州の人口とかがバグりますが、あれは同盟国巻き込んでの総力戦ですから。よほどの大貴族とかでない限り、中世貴族の戦争は大体小競り合いです。男手=生産力の時代に消耗してられっか!

 つーかたかが一領主のくせに万単位の兵士で領土争いする日本がおかしいんですよ……米とかいう頭のおかしい作物。統計資料としてはちょい怪しいんですが、14世紀の欧州一の都であるパリの人口は8万人、ドイツ一のケルンで3万しかいないんすよ。その時期日本では三河だけで10万人近くとか行ってます。頭おかしい……。種子島で火縄銃を二本売ったら、二百年後には世界の半分の銃を作ってた国はやはりヤバイ(再確認)。

 まあ向こうの戸籍って消失しまくったり、戸籍持ってる教会系がガバガバなのもあるんですけどね。当時の戸籍(厳密には戸籍じゃないけど)は教会が宗派ごとに洗礼によって管理してたのがほとんどなんですね。だから異教徒、異端の数は数えないので結構曖昧です。それでもアジアの人口は欧州と比べてぶっちぎりですが。

 肥沃な土壌と、米とかいう最高効率の作物がおかしいだけです。米って同じ面積だと麦の二倍取れて、十倍の人間を養えますからね。そりゃ人口も爆発するわ。日本史や中国史をやった後に欧州史をやると「しょっぼ……」ってなります。赤壁の戦いとかほんまもう……。3世紀に10万人単位を動員するな!

 イギリスなんて土壌と気候がクソだから芋か麦しか育たないんです! あそこの土壌は泥炭層ばっかりですし! 豊富な森林がある南ドイツが羨ましいよ~!(ほぼ植林だけど) この辺は農学部にでも入るか、自分で調べてください。

 

 


・応用問題

 ではここからは、中世ヨーロッパを学ぶと殺しにかかってくる様々な地域を紹介したいと思います。オラ!苦しめオラ!勉強すればするほど分かんなくなるんだよ!


 アルザスロートリンゲン

 フランスとドイツ国境に位置した領地ですね。フランク王国以降フランス王国アルザス伯領土であり、神聖ローマ帝国に認められたロートリンゲン公国です。

 は? 意味わからん。 

 つまりフランス貴族ですが、皇帝によって承認された独立した公王です。

 は?(二回目)

 もう頭の中が「???」って感じですが、頑張って理解してください。まだ序の口です。
 この地域はずっとドイツとフランスが奪い合いを続けます。18世紀にはオーストリア・ハプスブルグ家のマリア・テレジアの婿を出し、オーストリアになりかけますがフランスが固辞します。しかしその後プロイセンが戦争によってこの領土を分捕ります。近代に入ってからはナポレオン、継承戦争、第二次世界大戦でフランスとドイツ、オーストリアが奪い合いを続け、無茶苦茶になりました。
 色々あって最後はフランス領になりますが、分捕ったフランスが同化政策のためにドイツ語系のアルザス語の使用を禁止したりと碌でもないことになってます。ちなみにフランスによるプロパガンダのためつい最近までこれが逆になってたり。お前はソ連か。
 大国と大国の隙間にある悲しい土地です。百合の間に挟まると人は殺されますが、フランスとドイツに挟まれると土地は死にます(失礼)

 

 アキテーヌ

 フランスの西半分、アキテーヌ領を納めていた貴族です。十世紀ぐらいまでは独立国家でしたが、なんのかんのフランスに吸収されました。それだけならよくあることですが、問題はここからです。
 アキテーヌ公長女アリエノールはフランス王太子ルイ7世と結婚します。そしてアキテーヌ公兼ポワトゥー伯になります。ルイ7世は平和主義で情け深く、王というより修道士のようだったと言われるほど静かな人物なのですが、陽気なフランス女とは相性が悪く色々あって離婚(当時のカトリックに離婚という概念は無いので結婚取消)。そして後にイングランド王となるヘンリー二世と再婚します。ちなみに再婚までの期間は8週間。あのさぁ……。

 この再婚によってフランスの公爵でありながら元フランス王妃、現イギリス王妃となるわけです。フランス公爵なのにフランス王よりも広大なフランス西部からブリテンまでを統治する巨大帝国(プランタジネット朝アンジュー帝国)のトップになったわけですね。なんでだよ。ちなみにこの後にフランスとイングランドが揉めて百年戦争になります。やっぱりな♂

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西側の赤っぽいところは全部アンジュー 真緑だけがフランス王領

なんで王領より広いんですかね…。ノルマンディー公、お前もだよ。

 


アンジュー伯ナポリ王国

 ナポリ王国は13世紀にシチリア王国から分離し、フランス・ヴァロア朝のアンジュー伯が治めていましたが、その後アラゴン王国に奪われます。そしてイタリア戦争が起こるとフランスに占領され、それをスペインが更に占領し、近世以降はオーストリアが治めます。その後はスペイン王に奪われ、ナポレオンのフランスに奪われることになります。そしてナポレオンは衛星国として独立させました。しかしナポレオンが死ぬとシチリア王国と再び合体し、それをスペイン・ブルボン家が治めます。そして統一戦争を経て現在はイタリアに属します。

 つまりシチリア→フランス→アラゴン→フランス→スペイン→オーストリア→フランス→独立→シチリア(スペイン系)→イタリアです。あーあ勘弁してくれよ。

 つーかなんで欧州の総本山、ローマの隣でこんな奪い合いしてんですかね。教皇の威厳はもうボロボロ。


アンドラ公国

 これは現代まで続いて存在する、欧州の小国です。フランスとスペインの隙間にあります。元首はフランス大統領であり、ついでにスペインのウルヘル司教でもあります。つまり政治的にはフランスだけれど、教区的にはスペインという一つの国に二人のトップがいる状態なんですね。これを中世から現在まで800年ぐらい続けたわけです。中世というキリスト教絶対時代、フランスからして見れば自分の領土なのに自分の修道会を置けないとか罰ゲームもいいところです。統治権と教区権が別ってなんじゃい!十分の一税とかどうすんだよ! 

 このウルトラ屁理屈によって現代に至るまで独立を保ったわけです。ちなみに言語はカタルーニャ語。は????意味わかんね~~~~。なんで革命や大戦のどさくさでどっかに吸収されてねえんだよ。マジで。


バイエルン

 先に言っておきます。今から言うのはなぞなぞではありません。ただの地獄です。こいつはマジでやばいです。辛いので読まずに飛ばしても文句は言いません。

 

 ドイツ南部のバイエルンは色々な王朝の間を反復横飛びしていましたが、なんやかんやで皇帝によって命じられたヴィステルスバッハ家が管理していました。ですが1253年に当主のオットー2世が亡くなると、息子の間で領土が分割されます。

 ここでまず、下バイエルン公と上バイエルン公に分かれます。すると下バイエルンバイエルン=ランツフート公とバイエルン=シュトラウビング公に分裂します。そして上バイエルン公はバイエルン=ランツフートに吸収されます。そしてバイエルン=ランツフート公はバイエルンミュンヘン公、バイエルン=ランツフート公、バイエルンインゴルシュタット公の三つに分割されます。ついでにバイエルン=シュトラウビング公が他三つに取り込まれます。しかし更にバイエルンミュンヘン公は1467年に小バイエルンミュンヘンバイエルンダッハウに分割されます。しかし、1501年にバイエルンダッハウバイエルンミュンヘンと統合、バイエルン=ランツフートはバイエルンミュンヘンに吸収されました。最後にランツフート継承戦争によってバイエルンミュンヘン公が統一します。終わり! 閉廷!

 

 論理クイズかな?

 

 死ねばいいのに。たかが百年ちょいの期間に何回分裂と統合を繰り返してんだてめーはよ。アホのカップルか。

 

 

 というわけで五つの地域を紹介させていただきました。これで皆様のなろうファンタジー生活も楽しくなったでしょう。男爵一人出てきても、これが誰に任命されたどのような立ち位置の爵位なのか、国一つ出すにも誰がどの総主権を持っていてどこに属しているのか。考えざるを得なくなると思います。
 神聖ローマ帝国の分裂状態とか見てるとキレそうになります。まあ外国人も日本史をやると織田大和守家と織田弾正忠家の違いとかで困ってくれるので平等です。それに日本の官位の数は尋常じゃないですからね。ざまあみやがれ。


 欧州情勢は複雑怪奇ですが、紐解けば楽しくなります。紐解く途中で力尽きるだけで。興味を持った方は図書館で資料を漁ってください。死ねます。現代でも多くの国で独立運動が起こっている地域は伊達ではありません。カスティーリャ、北イタリア、スコットランドバスクとか選挙の度に独立だ連邦制だって叫んでますから。日本って平和っすね。

 

 ドイツ統一したビスマルク君ってやっぱ偉大ですね……。美大落ちチョビ髭おじさんとは違うんですよ。

 

 

 

 

 なおいくつかの帝国諸侯には逃げ切られた模様。リヒテンシュタインェ……。

 

 

積読するならこれだ! 独断と偏見に満ちたランキング


 皆さま初めまして。藤野すそのと申します。


 ツイッターのフォロワーさんは知っているかもしれませんが、いわゆるワナビをやっています。ワナビって何だよと思う方もいるかもしれません。ワナビとは「わりと、名古屋駅前の、ビックカメラ便利」の略で、ビックカメラに行きまくってる名古屋の人間のことです。しゃあねえだろあそこのソフマップが一番エロゲ置いてんだ。

 嘘です。作家志望のことを指す言葉です。

 

 さて、突然ですが問題です。積み木、トラック、僕の人生。この三つの共通点はなんだと思いますか? はい小遊三さん早かった!
 そう、「つんでいる」ことですね。ええ。人間誰しもそうなんですが、つむことはやはり人生で多々あるんですね。


 ぷよぷよテトリスもそうですが、積むというのは楽しいものです。積み木を積んでいく感じや荷物を整理するのは楽しいものです。目に見えて高度が高くなっていくのは、どこか達成感がありますね。誰だよ発注ミスったやつはよぉ!? 置き場がねえだろ!(前世の記憶)

 

 ですが積むと言ったらやはりあれですね。そう、本です。積読です。

 積読は日本独自の文化として紹介されることもあり、海外にはない独自の考えのようです。まあ買ったくせに使わないのは意味不明だわな。日本のもったいない精神はどこに行ったんだと思いたくもなります。

 しかし本を積むことでそのオーラのような物を得る、などと言うスピリチュアルな考えもあれば、積んで並べる本が家具の一種というインテリア的な考えもあります。どれが正しいとかは知りませんが、これも一種の文化なのでしょう。ハラキリ、スキヤキ、ゲイシャ、フジヤマ、ツンドク、ゆずソフトが日本の文化として紹介される日も近いかもしれません。

 

 そこで今回は「何の本を積めばいいか分からない」「どうすれば積読プロになれるのか」「洗濯物から変な匂いがする」と言った質問にお答えしていきたいと思います。腐っても私は作家志望、的確なアドバイスができるかと思います。あと洗濯機は時々洗濯槽を洗って、香るビーズ入れてください。なんやかんや室内干しより外に干した方がいいと思います。

 というわけで私の独断と偏見によるランキング形式で紹介していきます。評価基準は「積読した時に何かを得た気持ちになれるかどうか」です。あくまで評価の対象は表紙と裏表紙と背表紙だけ。内容は一切関係ありません。人間も本も外見が十割なんだよ!   

 興味ない方はブラウザバックするか我慢して見てください。

 題してワナビ積読ランキング」です!


ドラゴンボールに従い七位からの発表です!(ワナビ特有のまとめ力のなさ)

 

第七位!

銃・病原菌・鉄/ジャレド・ダイアモンド(草思社文庫) 

 

銃・病原菌・鉄 上巻

銃・病原菌・鉄 上巻

 

 歴史学民族学が好きな人はほぼ絶対読んでいる有名な本ですね。欧州文明に対し、いわゆる新大陸の人々はなぜ植民地にされたか。何が西洋人と異なったのか。そんなことを詳しく書いております。世界史マニアなどはほぼ絶対と言っていいほど読んでいる本です。バイブルですね。なんでこの本がそんなに? と思うかもしれませんが、差別的であった西欧学会で有色人種の文明を客観的に書いてるものってあんまりないんですよね。と言っても今回は積読選手権ですので、内容は読まないことを前提に話します。
 

 ランキングに入る理由は簡単です。この本、「強い」んですね。これを持っているだけで歴史学者、民族研究者っぽくなる。例えば孫子を暗唱すればそれだけで軍師っぽいじゃないですか。あれと一緒です。どれだけ小説でガバガバ中世ヨーロッパを書こうと、これさえ持っていれば説得力が出る。どれだけ非現実的な内政チートを書いても、これさえ持っていれば説得力が出る。そういう本なんですよね。例えるなら東大の参考書みたいなもので、持っているだけで賢そうになり、言動に説得力が出ます。これさえ本棚に並べておけば、中世ヨーロッパでスマホを出しても安心です。そう、銃・病原菌・鉄ならね。

 


第六位
ナ・バ・テア/森博嗣(中公文庫)

 

 サンキュー森博嗣、と言って終わりにしたいぐらいの強さです。正直、こいつが第六位なのはおかしいぐらいです。人によっては一位ですね。なんでスカイ・クロラじゃないの? と思うかもしれませんが、こちらの方が雰囲気が上です。ナバテア。素晴らしい。ナバテアって何だよ、と思わせつつ、下にあるNone But Airの文字。あ、これかあ! となるアハ体験。あー強い。このタイトルセンスに勝てる気がしない。ラノベなんかでは長文タイトルが流行りですが、この四文字に敵う奴は居ないと思います。

 表紙の雰囲気もシンプルながらもなんか面白い感じ(語彙力なし)。森博嗣と言えばすべてがFになる等で有名ですが、森博嗣はやっぱミステリーよりこっちだよな! と敵の前で嘯きましょう。上級者感を出せます。こいつを置くことで一作目のスカイ・クロラも読みましたが何か? という顔ができるのも評価点高いです。3作目は財布に余裕がある場合のみ購入してください。

 

 

第五位!

虐殺器官/伊藤計劃ハヤカワ文庫JA

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 あたかも硬派なSFですと言わんばかりの見た目ですね。表紙には黒一色に白文字。一見ホラーのように見えるタイトルと表紙ですが、中身は重厚なSFというギャップ。近年のSFによくある雰囲気だけ良い表紙とは違うのです。やっぱりハヤカワがナンバーワン! ここまで表紙が黒い出版物はこれと松崎しげる写真集ぐらいでしょう。角川ホラー文庫? なにそれ食えんの? 


 伊藤計劃は病によって夭折した悲劇の作家です。もう彼の新作を読むことはできません。なんて悲しいんだこんな天才が早死にするなんて、文学の神よあなたは残酷だ……と評論家ぶることもできます。適当に振る舞いましょう。

 そしてあえてリメイク版ではなくこちらの旧版を持っておくことで、「アニメ化する前から好きだった」と古参アピールをしましょう。いつの時代も我々は古参アピールに弱いもの。相棒は亀山君、ドラえもんはのぶ代、パナソニックはナショナル、オリックスはブルーウェイブ、JRは国鉄。お前らとは違う感を出していきましょう。おそらく旧版は本屋では売ってないので、古本屋で探してください。

 

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

 

 ついでにこちらの同著者のハーモニーも買うと白黒で並んで綺麗です。気分はパンダを眺める上野動物園。本棚を眺めているだけで笹三本は行けますね。うめうめ。

 


第四位!

好き好き大好き超愛してる。/舞城王太郎講談社文庫)

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)
 

 

 舞城王太郎の作品の一つですね。この作家は多くの人に好かれるタイプではないですが、一部にコアなファンがいます。聞いた事があるが読んだことはない作家第一位ではないでしょうか。独特な作風から好き嫌いが分かれることから積読にぴったり。ピンク一色の表紙と相まって名作感がすごいですね。また、このタイトルは多くの場所でパロディされていることもあり、元ネタを抑えることでオタク特有のマウントを取れます。お、このタイトル舞城王太郎のパロディじゃん! え!? あの超名作をご存じ、ないのですか!? と煽りましょう。その後もパロディを見つけるたびにオタク特有の早口でこの作品を持っていることをアピールしましょう。(あくまで積読なので反撃されると死にます。相手は選びましょう)


 後ろのあらすじの一行目は「愛は祈りだ。僕は祈る。」というワクワクさせられる出だしで、読んでいなくても読んだ気になります。あらすじだけ読んで読破した気になるの、小学生の読書感想文を思い出します。こういう出だしが名作の条件なんだよ、と適当に偉ぶりましょう。ワナビとして一段階上に行った気になれます(人としては考えないものとする)


 英語のLOVE LOVE LOVE YOU, I LOVE YOU.は声に出して読みたい英語です。では皆さんリピートアフターミー。

 

第三位!

赤と黒(下)/スタンダール新潮文庫

 

赤と黒(下) (新潮文庫)

赤と黒(下) (新潮文庫)

 

 

 誰しも知っている超有名作品です! 誰しも学生時代に一度は読んだことあるのでは? と適当なことを言うだけで、あたかも読んでいない奴が少数派と思わせることができます。例え自分も読んでいなくても、こういうのは仕掛けた方が勝ちです。
 しかし、そんなエアプでもあえて下巻だけを買うことでまるで上下巻制覇したかのような気分に浸れます。一巻分の値段で二巻分買った気になれる。しかも読まないので時間が削られることもない。アドですね。天使の施しぐらいの爆アドです。これがカードゲームなら即座にショーケースに飾られ、Youtuberたちがこぞってこのカードの強さをアピールするでしょう。これが本棚にあるだけで他のワナビが家に来たときに威嚇できます。これでAが一段階下がるので後はゴツメや自己再生で受けてください。相手が特殊型だった場合は投了です。
 

「なんで上巻がないの?」と聞かれたら、「友達に貸してる」と返すことで友達がいるアピールにもなります。本当に人に貸すときは上下巻一緒に貸してあげてください。面倒です。

 

 

第二位!

夜間飛行/サン・テグジュペリ

 

夜間飛行 (新潮文庫)

夜間飛行 (新潮文庫)

 

 

 星の王子さまで知られるフランス文学の頂点、サン・テグジュペリの作品です。
しかも星の王子さまは聖書の次に読まれた本とも呼ばれ(諸説ありまくり)、ネームバリューは抜群です。彼の名前を知らないという奴がいたら心の中で「こいつの頭8bitか?」と思って見下しましょう。フランスも知らねえ野蛮人に会話は不要です。フランス軍は世界最強ってナポレオンが言ってた(無敗とは言ってないし島流しされないとも言ってない)
 そういった歴史的なエピソードと、未完成の原稿を抱えたまま戦争で撃墜されて行方不明になった彼の生き方は、まさしくワナビの夢でしょう。いや、別に原稿抱えて死にたいわけではないんですけどね?


 様々な訳者や出版社によって本が出ていますが、新潮文庫をお勧めします。また表紙のバージョンも色々あるので好きなのを買うといいです。ついでに言うと新潮文庫は本に栞(というか紐)を付けてくれるので嬉しいですね。


 女とイギリス男はフランスに弱い。中世から伝わるジャスト・オン・タイムな古式めいた諺の通り、フランス文学というだけで強そうです。誰かが家に来るたびに俺の本棚はおフランス製なんだ、お前はトリコ? と言ってやりましょう。相手はあまりのビビリように即フランス人になるでしょう。後はワインとチーズを嗜みながらパリの光景に思いを馳せればオールOK。ま、パリってゴミでクッソ汚いらしいけど。そんなんだからフランスは移民の(検閲済み)なんだよ。

 

 

 

 

 

そして栄えある第一位は!

 

 

 

 


こちら葛飾区亀有公園前派出所/秋本治集英社

です!!!!!!!! 

 

 はい、当然の結果ですね。もうこれ以外考えられません。こいつに比べたら二位以下は遥か下です。

 なんでこち亀なんだよ! と思ったそこのあなた。考えてみてください。こち亀を積んだまま読まない奴見たことあります? ないですよね? そう、こち亀って読んじゃうんですよ。普通の精神の持ち主は。


 考えてみてください。あなたが本屋でこち亀を全巻買ってきたとします。読むでしょ? 全部は読まないにしろ、適当にどっかを抜き取って読んじゃうんです。何処から読んでも面白いというこち亀の特性上、普通はどこか読んでしまうんです。
 それを読まない。全巻買ってきて本棚に入れるだけ、もしくは部屋の隅に置いているだけ。どんな強靭な精神を持ってすれば可能なのでしょうか。常人は本棚のスペースがもったいないとか、新品で全部そろえたらいくらだよとか、全巻縦に積んだら邪魔とか思います。でも読まないんですよ。

 

 家に遊びに行ったら本棚にこち亀が全巻揃っている。「すげー! こち亀好きなの?」と尋ねたら、「いや読んだことない」と帰ってくる。もう意味が分かりません。この短いやり取りで完全に奴の掌で転がされています。これが漫画ならおそらく次のコマであなたは死んでいます。恐ろしいですね。ブッダの生まれ変わりかと思う欲のなさ。目の前をチュパカブラツチノコムーンウォークで歩いていても微動だにしない精神力の持ち主であることは間違いありません。いや、ブッダだって座禅組んでる時にこち亀が置いていたらちょっとは読みますよ多分。

 

 二位まではいかに読まずに読んだ振りをするか。もしくは読まずに表面をなぞって読んだ気になるかか。そう言ったルールに基づいたランキングでした。しかしこいつは違います。この二百冊強の国民的日常ギャグマンガを一ミリも読まない。そんな強大な精神力を指一本動かさずに示すことができるのです。

 こち亀を全巻積読すれば積読ランキング一位は間違いなし。全世界の人間があなたの住処をブックオフと見紛い、ポイントカードを差し出して頭を垂れることでしょう。この領域に達した人間は四千年の積読界の歴史で一人もいません。もはや教えることもありません。お前がナンバーワンだ(野菜王子)。

 

 

 

 というわけで以上で積読ランキングを終わります。ご意見は毎週平日の午前09:00から09:01まで受け付けております。

 

 

 

 ところでこち亀って面白かったのは寿司屋のーー(以下略)